インビザラインを代表とするマウスピース矯正装置

マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置(インビザライン)を代表とするマウスピース矯正装置は目立たず、衛生的に歯並びの矯正治療ができる優れた装置です。このため、あたかも魔法の装置のように表現されていることもありますが、まだ歴史の浅い装置であるのも確かで、実際はそこまで完全な装置ではありません。

実際は治療がうまくいかないことも多くあるのも確かです(完全な装置であれば、皆が皆、マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置(インビザライン)を選択しますよね)。

大切なのは、まずマウスピース矯正装置の適応症例であるかどうかの診断、そして治療がうまくいかない場合のフォローです。


CAUSE OF FAILURE失敗の原因

1. 開始前に適応症例を歯科医師が見分けられていない。

診断の段階で間違っていると失敗します。線引き・診断が一番大事になります。
診断のポイントは「顎の位置の安定性」「咬み合わせ」等、さまざまな点が挙げられます。そこを見極めて、マウスピース矯正が適応になるかどうか判断していきます。

2.装置の装着を怠る

患者さんが意識して付けていないと、どうしても思うように歯が動きません。
マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置(インビザライン)では1日22時間の使用が推奨されています(ワイヤーの矯正治療では、24時間効果が発揮されています)。
長時間の会食が多い等、時間が確保できない方には不向きです。


NOT SUITABLEマウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置(インビザライン)に向いていない症例

インビザラインに向いていない症例

それは下顎が小さく、咬合力(噛む力)が弱く、顎の位置が不安定な症例です。

マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置(インビザライン)ではマウスピースにより咬合面を覆って歯を動かすため、顎位(がくい)が不安定な患者さんでは、顎位の変化が大きく起こる可能性があります。

マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置(インビザライン)のシステムでは、最初に治療完了までのマウスピースを製作しますが、顎位の変化は想定していないため、大きな変化が有ったときは対応できず、マウスピースの再制作が必要になり、治療期間の大幅な延長となります。

ブラケットとワイヤーを用いた矯正治療では、顎位の変化に対して、ドクターの調整により対応が可能です。
このため、顎位の変化が予想される患者さんに対しては、無理をしてマウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置(インビザライン)を適用しない方が良いでしょう。見た目が気になる方には、歯磨きは難しいですが「裏側矯正(舌側矯正)」がお勧めです。

治療法の選択には、何より術前の丁寧な診査が重要です。

FROM THE DOCTOR担当医より

従来の矯正治療でのフォローも大切

従来の矯正治療でのフォローも大切

大学での歯科矯正学の履修が無く、オーソドックスなワイヤーによる矯正治療経験のないクリニックでのマウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置(インビザライン)治療は危険と常に隣り合わせです。

なぜなら…

・マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置(インビザライン)での治療が可能かどうかの診断力が無い
・マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置(インビザライン)での治療が失敗した場合に、一般的な矯正治療でフォローする技術が無い

…からです。

マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置(インビザライン)での治療が失敗に終わった場合は、ドクターがブラケットとワイヤーを用いた従来の矯正治療技術で挽回するわけですが、その経験が無く、マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置(インビザライン)での矯正治療しか経験が無いドクターの場合、そこで袋小路に入ってしまうわけです。

ですから、マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置(インビザライン)ドクターを選ぶ最大のポイントは「従来の矯正治療の経験も豊富かどうか」これが非常に重要です。

その中でも、本当の矯正歯科医として、確りとしたキャリアを積んでいるドクターを選択すべきです。