• インビザライン臨床セミナー参加

    インビザライン臨床セミナー

    去る3月27日木曜、2014年度最初の開催となるインビザライン臨床セミナーがSTATION CONFERENCE東京(千代田区丸の内)にて開催され120名を超えるインビザライン・ドクターの先生方が集まりました。
    セミナーのテーマは「バーティカルコレクションの考察」で、インビザラインにおける開咬・過蓋咬合治療の具体的な臨床応用例を国内・海外5名の先生が講師として発表しました。

    今回、とても楽しみにしていた内容の一つが「オープンバイト」の歯並び、いわゆる前歯の上下が当たらず噛み合わない開咬の症例についての考察です。マウスピース矯正はインビザラインをはじめとして、苦手な症例が「オープンバイト」です。従来のワイヤー矯正は、歯の垂直的な移動を難なく達成することができますが、インビザラインをはじめとするマウスピース矯正装置はその移動が苦手なため、オープンバイト(開咬)の症例は世界的にも少ないとのことでした。

    そんな中でも各々の歯科医師たちが様々な工夫を凝らし、「オープンバイト」の症例に向き合っており、大変興味深かったです。今回の研修で感じたことは、特にハイアングルケースのオープンバイトの治療結果はインビザラインは従来のワイヤー矯正にまだ遠く及ばないと考えました。

    今日の大人のハイアングルオープンバイト症例に対するアプローチの標準は、ワイヤー矯正と歯科矯正用アンカースクリュー(歯牙移動の固定源となる矯正用ミニインプラント)を併用するというものです。

    以前はインプラント矯正が存在しなかったため、ある程度前歯の挺出を妥協するしかありませんでした(もしくは外科手術)。
    この時代の矯正方法だと、面長の顔が治りませんでした。インプラント矯正の登場により、治療結果がワンランク上になったわけですが、インビザラインのオープンバイト治療は、まだインプラント矯正の無い時代の矯正をワイヤー矯正をマウスピース矯正に置き換えているというのに似ています。

    ほぼ完成に近づいているワイヤー矯正装置と比較し、まだ技術的に進歩も期待できるインビザラインとも言えます。オープンバイトに対する矯正方法も今後技術開発の改良がされていくと思います。矯正の時代が変わっても、患者さんには、その時の最良の矯正治療法をご提案できるように、技術と知識情報のアップデートを努力していきたいと思います。